価値創造時代を生き抜く会社の条件とは

価値創造時代を生き抜く会社の条件とは

会社で働く一人ひとりが価値を創造していく時代がまもなくやってきます。

その時代において、ここでずっと働きたいな、と従業員に思ってもらうには、どんな要素が必要でしょうか?

退職の理由に関して、実はお給料が安い、労働時間が長いといった仕事上の条件よりも、人間関係における問題の方がはるかに大きい、ということを前回の記事で

▶︎離職問題が起こる前にできること

1位 上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)

3位 同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)

6位 社長がワンマンだった(7%)

退職理由10位までの中でこの3つが人間関係の問題であり、合計すると実に43%にも上ります。

「労働時間・環境が不満だった」と「お給料が低かった」を合わせて26%であることを考えると、従業員が求めているのは実際にはお金を稼ぐことそのものよりも、人間関係で得られる何かの方を重要視している、と読み解くことができます。

その『何か』の正体がわかれば、離職率は圧倒的に下がっていくのです。

以下は先日コーポレートコーチングに伺った会社の従業員の方からのご感想です。

この従業員さんは職場で同僚からたびたび嫌なことを言われ、我慢の限界でもう仕事を続けていくのが難しいという精神状態になっていました。

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ヒロコ先生、先日はありがとうございました。

私は職場内で嫌な事を言われ、傷つき、その事を相手に伝えられなく悩んでいました。我慢の限界になり、辞職も視野に相手に伝えようと思っていました。そんな時にヒロコ先生にお話を聞いて頂ける事になりました。

それまでは相手に伝えて、最悪の場合辞職。と考えていましたがヒロコ先生との面談で本当に自分が求めていた事は【普通に会話が出来て楽しく仕事が出来る職場環境】という事が分かりました。更に言えば自分を認めてほしい、自分の気持ちをわかってほしいというところもあるのだとわかりました。

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行き過ぎたジョーク、行き過ぎた躾や叱責など、言う側はまさかそこまで傷つけるつもりはないのかもしれませんが、言われた本人は会社に行くのが辛いという深刻な精神状態にまで追い込まれていることがあります。

経営者であるあなたがこのような相談を受けたらどんなふうに解決しようとしますか?

・本人の心の悩みを聞いてどうすればいいかアドバイスする。

・相手とちゃんと話し合ってみなさいと本人に解決を促す。

・自分が暴言を吐く相手と話し合ってみる。

・そんなことくらいでめげていたら仕事なんてできないよ、などと叱咤したり励ましたりする。

これで目の前にある問題は一応の解決を見るかもしれません。

しかし、どういうわけかまた同じ問題が巡ってくる、なんて経験はないでしょうか?

同じ問題が巡るということは、まだ根本的には何も解決されていないということです

彼の本心として出てきた想いは

「自分を認めて欲しい。自分の気持ちをわかって欲しい」でした。

自分を認めてほしい。

でも一体、彼は自分の【何を】【どう】認めてほしいのでしょう?

自分の【どんな気持ちを】わかってほしいのでしょう?

ここが本当に重要なポイントです。ここを見誤るから、問題は根本解決しないのです。

自分の存在を認めてほしい?

自分が傷ついていることをわかってほしい?

そんなことではありません。

彼に聞いてみないとわからない?

そんなことでもありません。もう答えは決まっているのです。

なぜなら、人間の望みと悩みは、本質的にはたった一つしかないのですから。

認めてほしい、わかってほしいのは、自分が本当に望んでいるものは何なのか、ということ

そしてそれは、

自分は心から人を幸せにしたくて生きていて、相手の幸せそうな笑顔が見たい

ということだけなのです。

私は心の専門家としてこの6年間で通算600人以上のクライアントから、毎月ありとあらゆる悩みや望みを聞いてきました。

そのどれも、例外なく、

深く深く掘り下げていくと必ず、人を幸せにしたい、そういう自分でありたい、というところにたどり着いていきました。

100%すべての悩みがです。

それが私がこの仕事を通して悟った真実です。

世界中のみんながそれを本当の意味で理解し合えたらどんなに素晴らしいだろうと夢見て、まずは社会の基盤となる個々の会社が、その悟りの上に組織づくりができるように全力を注いでいます。

彼は人を幸せにしたくて悩んでいるのだという視点を持ち、今抱えている問題と照らし合わせながら、彼の中の本音として引き出していきます。ただ人を幸せにしたいといっても漠然としてしまいますが、それは彼にとってどんな状況のことなのかを具体的に言語化していく手伝いをしてあげれば良いのです。

するとそれは、「普通に会話ができて楽しく仕事ができる職場環境にしたかった」 という思いとして表れてきました。

彼の悩みが人間としての究極の本質である「人を幸せにしたい」ということと繋がった時、彼の内側から本当に純粋な光が溢れ出して、みんながはっきりと感じられるほどに場の空気が一気に変わってしまいました。

この瞬間に立ち会うといつも、人という存在の尊さに心を打たれます。

経営者様も、いつも一緒に働いている彼の心から晴れやかな表情と溢れ出た光に、とても感動していらっしゃいました。

当日のコーポレートコーチングでは、まず悩みを抱えているこの従業員さんと経営者様の3者でお話を伺ってから、メンバー全員でのグループコーチングに入るという流れを取ったのですが、そこで

悩みの種となっていた同僚の暴言の原因が、実は、経営者様も傷ついていた従業員さんも全く想像していなかったところにあった

ということが判明しました。

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